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2004.10.29

トレキャ!スタッフの本棚(2)

好評の「スタッフの本棚」。
第2弾は話題のあの本からマニアックなあんな本まで
スタッフたちがいま気になっている18冊を一挙ご紹介!

↓(続きを読むへ)

 
◆あまり の本棚
『私は忘れない』有吉佐和子著
 
新潟県中越地震の被災者のみなさんに、一日も早く平穏な生活が戻るよう、
心よりお祈り申し上げます。
こんな時、少しでも勇気になり力になり、
心を温めてくれるような本はなかったかと、とっても考えて、
今回の私のお勧めは『私は忘れない』有吉佐和子著です。
昭和30年代、鹿児島の沖合いにある小さな離島、黒島が舞台と
なっている古い本です。(当時の新聞連載だったようです。)
4日に1便しかない船が、たったひとつの島外との交通手段であるこの島を
大きな台風が襲います。外との連絡が絶たれた中、たまたま訪れていた
女優の卵、万里子(自分の現状に嫌気がさし、逃避してきた浅薄な現代っ子)
の視点を通し、災害の中で孤島の人々が助け合い、
大きな被害を乗り越えていくさまが描かれています。
当時の離島の実情を公表することが主題だったのかも知れませんが、
自然の猛威の中、人間の無力さと、それでもみんなで力を合わせて
生き抜いていくたくましさ、そして、そんな時こそ発揮され感じられる
ひとの温かさ・・・そんなことに、時代を超えて気づかされるのです。
物語の中、万里子は大きく成長します。
ラスト、万里子だけでなく、読んでいる自分も様々なことにおもいを巡らす
きっかけをもらえた気がしています。
当該地は、物語どころじゃないんだぞ、というお叱りも受けそうですが
被災者の方をはじめとして、みなさんの、パワーの源のひとかけらに
ぜひ、していただけたらと願ってやみません。

◆pooh の本棚
『間宮兄弟』江國香織著/小学館/2004年
 
「そもそも範疇外、ありえない、いい人だけど、恋愛関係には絶対ならない。」
そんな男性ふたりを、ときにおかしく、ときに切なく描いた作品。
江國さんが男性視点で描くのは珍しい気がする。
長編でいうならば(男性視点というのは)直に映画が公開となる『東京タワー』
に次いでの作品となるはずで、その作品では大学生の男の子の等身大の気持ち
が描かれているが、この作品はちょっと毛色が違う。

タイトルの通り、間宮家の兄弟ふたりが主人公。
生真面目という型にぴったりと当てはまる兄・明信(35歳)と小学校職員の弟・徹信(32歳)。
見た目も冴えないふたりには、女性から「おたくっぽい」と敬遠されがちで、
当然のことながら、生まれてこの方彼女がいた試しがない。
こんなふたりが恋をしようとするのだから、自ずと問題が起こってくるわけで…。

この兄弟は人と人との距離感をつかむのが下手なんだなぁ、と思った。
でも、彼らの純粋とも言える人柄のせいか相手も嫌悪感は感じない。
むしろ相手側の気持ちまでをも純粋にしてしまうかのような。
読後感が“意外に”さわやかです。

◆tomom の本棚
隻腕のサスラ』『神を喰らう狼』(榎田尤利著/講談社X文庫ホワイトハート)。

実はこの作家、BL(ボーイズラブ)系の本を書いていらっしゃるのですが、
こちらの2冊はシリーズで、ファンタジー系となっています。
最初に『神を喰らう狼』をBL系と思いながら読んだのですが。
読んでぞっとしました。
もしかして、本当に今、この世界のどこかでこんなことが起きているのではないかと。。。
 
パーツを提供するために人工の皮膚や臓器が作られているが、
それよりも、自分の細胞から作ったクローンを飼っておくことができれば
何か起こって使えなくなった部分だけを取り替えることができる。
事故で見えなくなった目にクローンの角膜を。。。
自分の細胞でできた臓器を移植する。。。

人間を救うために造られたクローン。
クローン体は人間ではないのか。
それでは、彼の感情は?

『隻腕のサスラ』は『神を喰らう狼』から10年後の戦いの始まりです。
続きが待ち遠しい。

(この作家のBLにはまっておりまして、
いろいろと読み散らかしていたんだけど、
これ読んで、ほんとにぞっとしちゃったんだよ。
絶対、誰かがこれ考えていて、
お金さえあればもう技術的には可能になってると思うんだよね。
ルパン三世にもマモーとか出て来て、決して新しい発想ではないとは思うけど、
これは、そのクローンの立場から書かれていて、すごく切なさが身にしみた。
飼われているクローンは本体(人間)以外にはほとんど接する相手がいなくって
その人のことだけを、ひたすら待っているの。
まるで恋人みたいに。
だけど、クローンだということもわかっていて、彼に何かあったら僕を使って、
といつでも思っているんだよ。
お話だってわかっているのに、涙が出てしまったよ。。。不覚。。。
というわけで、
BL系作家ではありますが敢えて推薦させていただきました)

◆うさぎ の本棚
下弦の月(上巻)』(矢沢あい/集英社/各1200円)
 
この秋映画化された「下弦の月」の原作本が愛蔵版で発売です。
映画化を記念して、矢沢あいさん描き下ろしカラーページや、
上品なパール紙を使ったハードカバーの愛蔵版兼完全版。
 
7年前に全3巻で単行本も発売されていて
普通にコミックスを買ったほうが安い(笑)などとあなどるなかれ!
数ある矢沢作品の中でも珠玉の名作の保存版です。

物語の内容は、
夢の中(臨死体験)で、記憶を失くし古びた洋館に閉じ込められた
“イヴ”と出会った少女・蛍。“イヴ”が憶えているのは、ただひとつ。
哀しい瞳をした恋人“アダム”のことだけ――。
“アダム”を探す約束をした蛍。“イヴ”の記憶のかけらを頼りに、
蛍は友達の協力を得て真相を探る。だが、立ちはだかる衝撃の事実。
どうすれば“イヴ”は“アダム”の待つ場所へ辿り着けるのか。。。

矢沢あいさんの描く作品には、
あ、こういう親友が欲しいなぁといった脇役が多く登場します。
『下弦の月』の、蛍の親友・沙絵ちゃん。
『NANA』の、淳子。
『天使なんかじゃない!』の、マミリン。
『パラダイスキス』の、イザベル(体は男性ですが、見かけと心は女)。
などなど。。。
矢沢あいさんは脇役の心理描写まで手を抜かない、というか
キャラたちが自由に動いてマンガという枠に収まらなくなっている気もします。

私も“いいお年頃”なんですけどね、
よく「いい絵本は大人になって読んでも奥が深くておもしろい」
といいます。マンガも然り。
うちの娘とマンガのことを真剣に論議しつつ楽しんでもいます。
 
◆マリの本棚
『日々ごはん』 高山なおみ

「郁恵・井森のデリ×デリキッチン!」でもおなじみの料理家、
高山なおみさんの日記です。Webでも見ることはできるのですが、
紙に文字をのせたときの、しんと静かで平らかな様子は
いかにも高山さんらしく、何度もいつくしむように読みました。
こんなに「語れる」料理家って、稀有な存在だなぁと思います。
(枝元なほみさんは、もうちょっとポエマー)
栗原はるみさんはプロデュース力をお持ちですし、
ケンタロウさんはデザインセンスに長けている。
料理だけでなく、料理家を含めて好きになる。
そういう時代なんだと思います。

忙しいときや悲しいとき、ごはんってまずおろそかにしがちですが
この手も足も、考えもすべてごはんから得ているんですよね。
当たり前のことですが・・・
こんなにおだやかな文面なのに、強制じみたことばなど一つも使われていないのに、
「ちゃんと暮らそう」という気持ちになれます。
忙しくて、キーッ!となったときに手に取ります。
2も出て、今後が楽しみです。
 
しかし7カ月分で1冊…最終的にはけっこうな冊数になりそうです。
なんせ、まだ日記は書き続けられているわけですからね。
せめて1年分を!と思いました(^^;
 
◆MARSの本棚
『さよならエルマおばあさん』(大塚敦子/小学館・1365円)
アメリカに住むエルマおばあさんが、不治の病にかかり余命を知らされて、
その残りの人生をどう生きるかを、飼っている猫の視線を通して語られる写真絵本です。
 
大塚敦子さんにインタビューでお会いしたことがあるんだけど、
もともと戦場カメラマンだったという人で、
命の大切さ、動物とともに生きる大切さなどをテーマに、
本をたくさん出しています。
 
エルマおばあさんの家に長く住み、
家族とともに介護をしながら撮った写真は、
大塚さんでなければ撮れない、温かく力強い写真。
最期はこうありたいなあと思わせられます。
私としては、自分の仕事を形にする姿勢のあり方も、学ばせていただきました。
 
◆いつきの本棚
『陰陽寮(おんみょうりょう)』富樫倫太郎著

このシリーズがお勧めです。
現在8巻まででており継続中です。
京極夏彦さんや夢枕漠さんの世界が好きな方には
すぐ受け入れられる世界だと思います。
夢枕漠さんの作品同様、安倍晴明という人物を中心に描かれていますが、
その世界は異次元にまで広がり「永遠に生きつづけることはどういうことか」
ということが作者の作品テーマのひとつになっている楽しい作品です。
 
◆ABBYの本棚
『へんないきもの』(早川いくを著)

私が勤務する図書館で近頃リクエストが目立って増えてきているのは
『へんないきもの』(早川いくを著)。
もちろん私は予約を待ちきれずまたまた買っちまいました(笑)。
内容はタイトル通り、珍妙生物のオンパレード!
中でもワタシのお気に入り生物は“タコブネ”。
雌雄の営みに特徴ありのタコです。気になる方はご覧あれ。
息子がこの本を読み終えて一言。
「こいつらから見たらオレ等が一番“へんないきもの”、
間違いない”!」
だよな~、きっと(笑)。

◆Gochy! の本棚
黒革の手帖(上巻)』(松本清張)
 
現在、米倉涼子主演で連ドラ化されてますが、やはりドラマと原作は別物。
(でも、このドラマ、あれはあれで、なかなかよい出来だと思いますわ)
時代が変わっても人間の性(さが)や本能、深層心理は普遍なので
その描写が巧みな清張センセのご本は、
今読んでもストーリーにはまったく古さを感じません。
ただ、『黒革~』ではバーのことが
全て「バア」と表記されており=「婆」と読めてしまって、
慣れるまで少し時間がかかったりしましたが(笑)
また、短編集『失踪の果て』
のなかには“肉色のナイロン靴下”という傑作な表現もあって思わず爆笑。
いや、ぜんぜん爆笑する場面じゃないんですけどね。
そんなわけで、いま、松本清張センセがMYブームです。
  
◆えみゅ の本棚
『ボーイフレンド』(惣領冬実著)/小学館/文庫版
 
高校生の男女の恋愛を、バスケを通して描かれた作品です。
主人公の柾と、同学年だけど病弱で年上の加奈子の高校生ならではの、
せつなくキュンとする場面が沢山散りばめられています。
こんな恋愛がしたいなーって思わせてくれる大好きなマンガです♪
惣領冬実さんのマンガはどれも好きなのですが、
私はこの作品が一番スキです。
 
◆れいちん の本棚
『Happy Days With the Naked Chef』(Jamie Oliver, David Loftus (著)

この本は、有名なジェイミーオリバーのレシピ本です。写真を見ているだけでも楽し
く、彼の食に対する哲学がよく分かる素敵な本です。彼の出現によって、イギリスで
はクッキングをする男性がかっこいいとするトレンドまで生まれたそうです。お料理
が好きな人にも、美味しそうなものを眺めることが好きな人にもお勧めです。
 
◆Reikoの本棚
『Sorrow Mountain』(Ani Pachen / Adelaide Donnelley著)
前回も書いたとおり、海外でまともな書店が皆無という場所に住んでいるため、
読書(特に日本語の本を読むこと)はとても贅沢な趣味となっています。
そんなわけで、またまた英語の本で申し訳ないのですが、
現在、読書中の『Sorrow Mountain』(Ani Pachen / Adelaide Donnelley著)をご紹介します。
これは首長の一人娘として、父の死後、民衆を率いて
中国の「解放軍」と戦ったチベットの尼僧パチェンの回想記です。
仏の教えとチベットの民を守るため、自らも武器を取った彼女は、
囚われの身となった後、
実に20年間に渡り過酷な拷問や強制収容所での生活を絶え抜きます。
文化大革命については、『ワイルド・スワン』をきっかけに少しは知っているつもりでしたが、
チベットに関しては本当に何も知りませんでした。
ですから中国軍がやってくる前のその豊かさ(精神・物質両面で)に驚きました。
また父や母を慈しむパチェンの思いが綴られた場所では、
その温もりが伝わってきて、じーんとしました。
ずっと仕事が忙しくて、なかなか読書の時間も取れなかったのですが、
物語はこれから後半、辛く、悲しい展開は必至ですが、覚悟して読み切ろうと思います。
 

◆【トレキャ!書評コラムバックナンバー】

  ◇コラム『監察医が書いた、死なないための“ある意味”健康本』
  この本、売れてきたようですよ!ラジオの次はテレビか?
  ◇コラム『キダムの舞台裏をお教えしましょう』
  この本は、今日からスタートする「アレグリア」公演で再び注目です!
                  ◆
  ◇著者インタビュー『株式会社サンリオ 代表取締役社長 辻信太郎 氏』   
    『みんたのたあ坊の菜根譚』15万部突破のベストセラー!
    『みんなのたあ坊の賢人訓~中国編~』第2弾も好評発売中!
  ◇著者インタビュー『作家・編集者・プロデューサー 石黒謙吾氏 氏』
    『ダジャレ ヌーヴォー』ついに「月9」にまで登場!!
                         ◆
(「スタッフ本棚(1)」はこちら

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