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2006.03.09

『トム・ヤン・クン!』

※メルマガ「トレキャ!シネマ番付」(3/12号)の連載コーナーには収納できな
 かったコラムを、ブログに掲載。

◆◆◆◆◆◆………………海外発!シネマ情報…………………◆◆◆◆◆◆
  
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海┃外┃発┃コ┃ラ┃ム┃◇ 『トム・ヤム・クン!』 (GW公開予定作品)
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                                      TEXT by Reiko

                   <タイ編>

        タイが世界のアクション映画ファンに贈る超大作!
  
                   ◆◇◆◇◆ 
 
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今回は、初めての主演作品『マッハ!!!!!!』(!は一体いくつあれば正解なのか?
笑)で、「ジャッキー・チェン、ジェット・リーの真の後継者現る!」と話題を呼んだト
ニー・ジャーの『トム・ヤム・クン!』です。前作を観た人ならわかると思いますが、
彼は今後、タイのエンタメ業界最大のドル箱になると予想されています。そんなわ
けで、この映画には約3億バーツ(約9億円)の制作費が投入され、昨年7月末に
開かれたワールド・プレミエには同国政府を通して、各国の配給会社が多数招待
されたとか。こうした言わば「国家的プロジェクト」だけに随所に気合の入りまくった、
かなりの娯楽大作に仕上がっていると思います。
                       ◇                 
ストーリーは、象と家族同然に育った青年が、中国系マフィアによってオーストラリ
アに連れ去られた象の親子を取り戻しに行く…というものですが、冒頭のシーンが
実に牧歌的で、これが激し過ぎるほどのアクションが続いた後のラストにうまく活か
されています。前作ではタイトルバックのNG集以外、笑顔のショットはなかったと
記憶しているトニー君ですが、今回は象と一緒のシーンで素朴な笑顔、信頼や安
らぎを感じさせる表情が見られ、私の中での好感度がさらにアップ。

象の登場する場面の演出や、この映画のコンセプトにはきっと、お父様が象使いで、
実家でも象を飼っているというトニー君の経験や思いが色濃く反映されているので
しょう。それと、タイでの撮影シーンには、海外市場を意識してか、「古式ムエタイを
含めタイの伝統文化を残し、広めたい」というトニー君の意向からか、有名な水掛け
祭や伝統舞踊、象使いや市井の人々の日常が描かれた興味深いシーンが続きます。
                       ◇
肝心のアクションですが、今回もトニー君の鍛えぬかれた身体から繰り出される動
きや技は実にダイナミックかつ多彩で、本当に凄いスターが現れたものだと感心し
ます。前作では、本格的な格闘シーンまでにかなり間があったと思いますが、
今回は手に汗握る場面がタイミングよく入り、スピーディな展開。悪役の皆さん(笑)
もいろんなタイプがいて、格闘技好きには堪えられないはずですし、中国系マフィア
の下っ端として欧米ストリート系ギャングが大挙して登場する場面は、香港産の一
般的なカンフー映画にはない、「今」を意識した作りかもしれません。

ただ、映画が大詰めを迎える最後の30分弱が私的にはToo muchでした。もちろ
ん不要とか、そういうことではなく、あくまでも「やり過ぎ」という意味で。ネタバレ
ご免で言わせてもらえば、「100斬り」ならぬ、「100人折り」的シーン、骨の折れる
音がわざとらしくて、気持ち悪くなっちゃいましたよ。あと怪物(のような人)達を相
手に死闘を展開するラストのトニー君も、「象と一心同体」という意図はわかります
が、あの格好はかなり疑問です。でも、前作の文化遺産の略奪同様、保護動物
の密漁&密輸、国際的人身売買など、タイの直面する深刻な問題もきっちり描か
れた、一見の価値ある映画だと思います。
                   ▽  
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   ●【当コーナーで掲載した過去のコラム】
  
  ・『ダンス系映画3作品』<欧米編>
  ・『キング・オブ・ボリウッド~シャルク・カーン』<インド編>
  ・『マレーシア映画史上最大の意欲作』<マレーシア編>
  ・『米国アカデミー授賞式レポート』<アメリカ編>
  ・『新星“ニコラス・サプトラ”は要チェック』<インドネシア編>

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              ★過去ネタ閲覧→ こちらから
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