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2011.07.15

海外TV事情(30) 豪州料理対決番組『ジュニア・マスター・シェフ・オーストラリア』

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連┃載┃コ┃ラ┃ム┃◇海外 TV事情(30)

  料理対決番組『ジュニア・マスター・シェフ・オーストラリア』(豪州編)
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皆さんは現在、英語圏で「空前の料理コンテスト番組ブーム」(笑)が起きている
のをご存知ですか? 私、そのルーツはあの『料理の鉄人』(1993年10月10日~
1999年9月24日、フジテレビにて放映。海外では吹き替え版が『Iron Chef』とし
て人気を集めた)にあると見ているのですが、従来ドラマや各種リアリティ番組
を売りにしていたテレビ局が、一斉にこの種の番組を手掛けるようになった結果、
東南アジアの衛星放送では曜日によって、ゴールデン枠に料理コンテスト番組
が集中する現象も発生。こうした番組の出場者は、上位入賞により得られる知
名度と賞金を独立開業に役立てたい…と考える無名の料理人や料理大好き一
般人で、20代から30代が中心です。

一方、今回ご紹介する『ジュニア・マスター・シェフ・オーストラリア』(シーズン1、
2010年9月12日~11月15日放送、ネットワーク・テン)はその名のとおり、8歳か
ら12歳(選考時)の子供達がプロの料理人も顔負けの高度な技巧と創造性を競
い、大きな反響を呼びました。
結果、視聴者数が豪州国内だけでも初回220万人、トップ4→2の結果発表が行
われた第16回で150万人、2時間スペシャルの最終回後半で185万人を超える
大ヒットとなったのです。

・『ジュニア・マスター・シェフ・オーストラリア』 ←トレーラー

大人を対象としたコンテスト番組では、ほぼ毎週脱落者が出ますが、そこは子供
向けの配慮でしょう。出場者は豪州全土からオーディションを経て選ばれた50人
からトップ20→12→8→4→2→優勝者決定と絞られていきます。しかも、この子
達が実に素晴らしい!料理に関しては凄腕でも、心は純真。競合する仲間達に
声援や賛辞を惜しまず、高評価を得た子には祝福の、がっかりしている子には励
ましのハグで、健闘を称え合う。その姿に心洗われた視聴者は多いと思います。

また、毎回、個人で順位を競うのではなく、3週間に1度は有名シェフをゲストに
迎え、直々に特製レシピを教えてもらえる実習があります。時にはスタジオを離れ、
グループに分かれて食堂やスポーツ施設で(確か、プロのサッカー・チーム向けに)
大人数分の食事を準備したり、調理プロセスに携わるのは各班1人ずつ、制限
時間(例えば10分)以内で、他のメンバーに交代しなくてはならないタッグマッチ
もあったりして、集団の一員としての責任や団結心を養うという点で教育的配慮
も十分。
子供が相手ということで、講評は総じて甘めですし、審査員が調理台の間を回っ
て、「何か忘れてないかい?」「火加減に気をつけて」などと助け舟を出すことも
ありました。
また、トップ3に選ばれた作品には及ばないけれど、例えば時間配分や盛り付け
などの点で、前回より改善が認められた子にボーナス・ポイントが与えられ、「他
者との比較」だけに頼らず、「個々の成長」も評価の対象にしようという姿勢も好
感が持てましたね。

成長といえば…


成長と言えば、縦横ともに迫力ある体型やタスマニア島出身という背景を反映し、
シーズン序盤には、よく言えば「豪快な」料理を披露したり、審査員から「君にぜ
ひとも改めてほしいところがあるんだ。それはこの調理台の乱雑さ」などと指摘
されていた男の子がいたんです。このジャック君、持ち前の創造性に、このコン
テストの過程で学んだと思われる技術や洗練された感覚を統合し、準優勝を勝
ち取ったのは、まさに「成長」の証だったと思います。

一方、優勝したのは、他の出場者にとって「優しいお姉さん」的存在だったイザベ
ラちゃんという子ですが、双子のソフィアちゃんもベスト4と健闘しましたし、9歳の
シエナちゃんも堂々のベスト4入り。

ちなみに、優勝者には信託基金で1万5000豪ドル、準優勝者には同1万豪ドル、
惜しくも決勝進出を逃した他のベスト4の2人には同5000豪州ドルの賞金が授与
されました。でも、我が家では他の上位入賞者に贈呈された豪華な調理機器一
式に溜息が漏れました。

そうそう、ベスト4入りは逃したものの、審査員から「Memorable(忘れがたい/
印象的」と評価されたのは、ピエール君。彼の作品は一言で言うなら「洗練」。

彼らは大人になって、どんなレストランを開き、どんなメニューを生み出すのか、
それが今から楽しみです。

そうそう、我が家の次男は料理店リポーターを羨むほど、食べることが好きな一
方、作るのはめんどくさいという輩でしたが、この番組を観るたびに、「面目ないよ、
俺。コイツら凄過ぎ…」をつぶやき、料理のまねごとをするようになりました。また、
次男と気が合うのは、性格は決して悪くないものの、よく言えば「個性的」で、
一部の先生方の受けはあまり芳しくないかもしれない(笑)男子達なのですが、
そんな彼らの間でもこの番組は大ヒットだったようです。

『ジュニア・マスター・シェフ・オーストラリア』は、
大人向けのマスター・シェフ・オーストラリアのスピンオフ番組で、専用の公
式サイトがなぜか見当たらないんですが、親番組のサイト(英語)には食材やカ
テゴリー(例:フレンチとかイタリアン)別のレシピも多数紹介されておりますので、
料理好きな方はぜひ覗いてみてください。

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