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2013.01.26

新作シネレビュー『さよならドビュッシー』

さよならドビュッシー(1/26日~絶賛公開中)
◆出演:橋本愛、清塚信也ほか。
◆監督:利重剛
◆原作:中山七里

 
原作は中山七里による
2010年の「このミステリーがすごい!」大賞の受賞作で
現在までにシリーズ累計55万部を突破している
ピアニスト岬洋介が探偵役をする人気シリーズの第1作目。
   
温かい親族に囲まれ恵まれた環境で
ピアニストを目指す16歳の遥(橋本愛)。
しかしある日突然、
祖父と従姉と火事に巻き込まれ、ただ一人生き残る。
全身に大ヤケドという肉体的なハンデを背負いながらも、
よきピアノ指導者・岬(清塚信也)と出会い、
ピアニストになる夢を叶えるべく
コンクール優勝を目指し猛レッスンに励むが、
そんな中、周囲で不吉な出来事が次々と起こり、
ついに殺人事件までも起こる事態に……。


このシリーズの見所のひとつは
終盤での大どんでん返しだったりするけど、
映画ではそこにいたるまでの
ヒロインの心理描写が映像演出や
ヒロイン役橋本愛の存在感ある演技で
非常に丁寧に描かれていて、
謎解き的な要素よりも、
むしろそこが際立っている印象。
   
ヒロインがコンクールで演奏するクライマックスシーンは
映画版『砂の器』で、
主人公和賀が指揮するコンサート会場の演奏シーンと
彼の脳裏をよぎる過去の回想シーンにほぼ全曲を使った
あの圧巻のクライマックスシーンを彷彿とさせるカタルシス。
 
ま、私も、ここで、泣いちゃいましたね。
 
また、祖父役のミッキー・カーチスをはじめ
母役(相築あきこ)、叔父役(山本剛史)など
脇を固める役者陣の演技にも深い和わいがあり、
彼らが発するせりふのひとつ、ひとつは
まりで人生の金言のよう。
   
そうそう、個人的には、
作品の中で、どことなく浮いてるというか
どこかすっぽとぼけた印象のある
刑事役のヒトが妙にツボだった…なぜか(笑)。
   
あの堤幸彦監督も、
チラリ友情出演してるから探してみてね。
 
そして、なにより、
司法試験合格の経歴を持つ
異色のピアノ教師役を演じた現役ピアニスト清塚信也が、
これが本格的な俳優デビュー作とは思えない
ナチュラルな演技ぶりで、正直ちょっと驚いたよね。
  
『のだめカンタービレ』の吹き替え演奏を始め、
大河ドラマ『龍馬伝紀行』のテーマ演奏などを手掛ける
現役ピアニストだけに、
劇中でも彼の奏でるピアノ演奏は
ひとつの大きな見所、聴き所であるのは当然ながら
やはり本職だけに、
ピアノ教師としてのセリフのひとつひとつ、
しぐさひつとっても圧倒的な説得力が。
 
そして説得力だけでなく、
謎に直面したときに見せる探偵としての繊細な表情など
演技力の面でも、思いがけず、見応えがあった。
  
彼はライブやインタビューなどで見せるトークも面白く、
非常にMC力のある人と言う印象だけに、
これを機会に、さらに映像世界でも
活躍の場を広げるんじゃないかと、ちょい注目。
  
この映画の公開に合わせて
原作シリーズ最新作『いつまでもショパン』も刊行されたけど、
清塚信也版の岬洋介で(超イケメンではないが存在感のあるお顔だし…笑)、
ほかのシリーズ作品も見てみたい気がするなあ。
   
今度は、探偵としての岬洋介を主人公に
より謎解きミステリー色を強めた形で。。。

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